[Overwatch] 最新メタリポート(3/22)

Overwatch

今回の最新メタリポートは先週末に開催されたAlienware Monthly Meleeの試合を中心に集計されています。

今週のリポートは先日行われたAlienware Monthly Melee、PIT Championshi予選、Carbon Seriesのデータを中心に集計したものとなっているが、オリーサリリース前のプロシーンのメタは、このイベントで優勝決定戦まで勝ち進んだRogueとSelflessのデータが色濃く反映されている。この両チームは共にダイブコンポジションを採用し、フレックス枠をあまり変更することなく最後まで戦っているが、両チームはセミファイナルで一度対戦した後、Selflessが敗者復活側から勝ち上がったことで優勝決定戦で再び対戦している。

TIERS

S Tier (>=95% Usage Rate): Lucio (96%)

Tier 1 (>80% Usage Rate): No one!

Tier 2 (>50% Usage Rate): Ana (76%), Tracer (68%), Reinhardt (56%), Soldier 76 (55%)

Tier 3 (>20% Usage Rate): Roadhog (45%), Genji (45%), Winston (44%), Zarya (30%), D.Va (23%)

Tier 4 (>5% Usage Rate): Pharah (16%), Zenyatta (13%), Mercy (10%), McCree (9%)

Tier 5 (<5% Usage Rate): Widowmaker (4.5%), Torbjorn (3%), Reaper (2%), Mei (2%), Sombra (1%), Symmetra (1%), Junkrat (0%), Bastion (0%), Hanzo (0%)

前回のリポートではグラフデータの表示スタイルについてのアンケートを行ったが、最終的にこれまでのスタイルを踏襲することに落ち着いた。ただし、TierはF~S表示はなく、数字に変更している。Sティアーだけは特別な響きを残したいために今後も使い続けていく。

今週はミスターSティアーことルシオを除き、非常にバランスの取れたグラフとなっている。Rogueを除く多くのチームが2/2/2という構成を好んでいたこともあり、多くのDPS、タンク、ヒーラーがTier5以上の使用率に達している。Selflessは2/2/2コンプを採用し、Rogueは3DPSと1タンクというコンポジションを運用していた。その他、LG EvilやImmortalsといったチームはトリプルタンク構成を主体として戦っていたこともあり、ここ数週間のうちで最も多様性に溢れたデータとなっている。Tier5のヒーロー達に目を向けて見ても少ない時間で印象的なプレーを見せている。Buds選手(Fnatic)のウィドウメーカーは幾度となくキルを奪い、RogueのNiCOgdh選手がAnubisで見せたリーパーはSelfless戦の勝利に不可欠なプレーでもあった。同カードとなった別の試合ではSelflessのSinatraa選手操るソンブラはAkm選手のファラをバレッジ中に落とし、Rogueのポイント奪取を防いでもいる。ここ最近で最もバラエティに飛んだデータではあるが、オリーサの正式リリースにともなうバランス調整でこの現象も一時的なものに終わってしまうかもしれない。パッチ後のメタが一体どうなるのか?ここで分かったふりをしても仕方ないので、今回のリポートの後半ではAlienware Monthly Meleeで二度の熱戦を演じたRogueとSelflessのコンポジションと戦い方について考察している。

今回は大会データを元にした考察ではなくAlienware Monthly Meleeで接戦を演じたRogueとSelflessのラインナップと戦術に主眼を置いたリポートとなっていますが、長いので適当にまとめてあります。
ROGUE
THE LINEUP

トップチームの戦い方には大きく分け二つの方向性がある。自分たちの長所を活かす戦い方か、もしくはメタに即した戦い方のどちらかであり、前者の代表的な例がタンクメタ全盛期にダイブメタでDreamHackを制した時のMisfitsであり、後者が当時メタを支配していたトリプル/クアッドタンクでタイトルを手にしたEnVyUsである。

幸運にもオリーサリリース前のこの時点でのメタはRogueに味方しており、最も強力なラインナップがダイブコンプであることはほとんどのプロ選手が同意するところでもある。SoOn選手はゲーム内屈指のトレーサーで彼に匹敵するのは韓国勢か死闘を演じたSelflessのSinatoraa選手くらいのものだろう。NiCOgdh選手のゲンジはTivQ選手の穴を完全に埋めている。aKm選手のヒットスキャン能力はソルジャーの性能をフルに引き出しており、uNKOE選手のアナとゼニヤッタはDPS顔負けの攻撃力を誇る。ルシオからウィンストンに転向したKnoxXx選手はMiro選手をお手本にでもしたかのようなアグレッシブなプレーを見せ、ザリアからルシオに転向したWinz選手も献身的にプレーしていた。

THE STRATEGY

Selflessのほうがより攻撃的ではあるが、この両チームはオーバーウォッチで最もアグレッシブなチームのひとつでもある。両チームともにトレーサーを重用しているが、Rogueはよりトラディショナルなダイブコンプを好んでいる。KnoxXx選手のウィンストンはSoOn選手のトレーサーを引き連れて飛び込み、NiCO選手のゲンジが手裏剣で相手の注意を引き付けつつ彼らのすぐ後を追っていく。味方が相手の注意を引き付けている間にSoOn選手は近くにいるサポートヒーローを狙い、通常はフルクリップでターゲットを仕留めるが、そうでなければNiCO選手のダッシュでキルを取る。相手チームがこの3人に気を取られている間にaKm選手はヒットスキャンヒーローを使い獲物を狙っていく。uNKOE選手はアナでKnoxXx選手のウィンストンをサポートするか、ゼニヤッタでチームの火力を上げていく。

Rogueの戦術で最も興味深いのがペイロードで、KnoxXx選手はラインハルトでプレーすることができないため(もしくはプレーしたことがないのか)、ペイロードの攻守両方でウィンストンでプレーしていた。Rogueはペイロードのコンテストに力を注ぎ、リスポーン後は常に機動力の高いヒーローでペイロードに向けてラッシュしていたが、実際に彼らのヒーロープールのほとんど全てが機動力の高いヒーローであった。更に彼らは例え不利な状況であっても態勢を立て直すのではなく、次から次へとペイロードへ味方を送り出していた。ペイロードマップの後半ではペイロードまでの距離が攻撃側から守備側有利へと移ることになるが、そういった状況の中でRogueは常にコンテストを狙い攻撃側の時間を奪っていった。

また、Watchpoint, Eichenwalde, Route 66, Doradoといったマップではペイロードがチェックポイントを通過する際に、コンテスト状態になくても扉の開閉でペイロードが一時的に動きを止めるが、Rogueはこのディレイを利用したリグループで態勢を立て直してもいた。こうすることで、チェックポイントがアップデートされた時にリスポーン地点が別々にならないように確実を期してもいる。Rogueはこういった「リスポーン戦術」を攻守で活用することでSelfless相手に勝利をもぎ取っている。

SELFLESS
THE LINEUP

多くの点でSelflessとRogueの戦術には共通点があり、両チームともにプレイヤーの長所を活かす戦いを好んでいる。Dafran選手とSinatraa選手はRogueのaKm選手とSoOn選手と対をなすような存在だが、Sinatoraa選手はトレーサー以外にも、ゲンジ、ソンブラ、ザリアなどでプレーすることもある。Kresnik選手は一部のスクランブルを除き、ラインハルトで常に盾役を務めている。Michael3D選手とDhaK選手のサポートコンビは終始アナとルシオでプレーしていた。そしてEmongg選手のロードホッグはチームに流れを引き寄せるプレーを何度も見せていた。

ルシオ役のdhaK選手はベータ時代からアクロバティックなプレースタイルで知られており、DSPStanky出現以前はウォールライドを駆使したプレーの代名詞的な存在であった。ルシオはdhaK選手がwinz選手を上回る一方で、アナはuNKOE選手がMichael3D選手よりも上手と言え、ゼニヤッタに関しては明らかにuNKOE選手が上を行く。SelflessにはNico選手のようなゲンジメインのプレイヤーはいないものの、Emongg選手のロードホッグが3人目のDPS役を十分過ぎるほどにこなしていた。Kresnik選手のラインハルトは受け身のプレイスタイルではあるが、彼のラインハルトがペイロードに残り、チーム全体で相手チームに攻め込んでいくフルダイブコンプとも言えるスタイルがSeflsessの特徴である。

THE STRATEGY

Rogueがトラディショナルなダイブコンプを採用する一方で、Selflessの戦術はそれとは異なりリスポーンキャンプとも言える戦い方を見せる。相手チームをペイロードとポイントから可能な限り遠ざけ圧力をかけ続けていくが、時に相手チームはリスポーンキャンプから脱出するためにUltを使わざるを得ないことさえある。

この戦術をより理解するために、コーチ役のLegitRC氏に質問しところ、彼らは必ずしも常にリスポーンキャンプを狙うような戦い方をしている訳ではないという答えが返ってきた。彼は相手チームの戦術や構成に合わせるのではなく、チームメンバーがお互いに助け合うことができるようなポジショニングを常に取るようにアドバイスしているという。彼らは“battle-buddy”とも言えるパートナーの存在を常に意識しながら戦い、どういった状況でも味方の誰かをサポートすることを意識してプレーしている。同コーチは、RogueのuNKOE選手のアナやゼニヤッタはフランカーのデュエルでキルを取ることがとても難しいため、この“battle-buddy”システムでいつでも2対1の状況を作り出すことで、数的有利な状況から、例えばDafran選手のロングレンジからのショットでキルを取ることができると話している。また、Michael3D選手のアナがSoOn選手に狙われた状況では、Dafran選手のヘリックスロケットにより間一髪で救われるといったケースも目にすることがある。

こういった戦い方がどのようにリスポーンキャンプへと展開するのか?答えは単純で2対1という状況でキルを取れば、その後より数的有利な状況は作りやすくなり、チームのアドバンテージはスノーボール的(雪だるま式)に増えていく。これは個々の高い能力も去ることながら、同コーチ曰く、dhaK選手の力強いショットコールによるところが大きいという。彼らは相手チームが何を仕掛けてくるかよりも、チームがキルを取るために数的優位を作りベストなポジショニングを取ることに集中している。リスポーンキャンプはあくまでもこの副作用でしかなく、彼らの頭の中にあるのは出来るだけ多くの戦闘に勝ち、いかにしてキルを取るかということである。

Overwatch Hero Tier List and Meta Report: A Tale of Two Team Comps
https://www.overbuff.com/blog/2017-03-22-overwatch-hero-tier-list-and-meta-report-a-tale-of-two-team-comps

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