[Overwatch] Overwatch Openで『3×3メタ』がオワコン化?

Overwatch

さきほどグランドファイナルを終えたOverwatch Openですが、同トーナメント(ファイナルラウンド)におけるメタについて興味深い分析リポートがありました。

詳しいデータはoverbuffのメタリポートを待つとして、簡単にこのリポートの内容をまとめます。

※決勝のグランドファイナルのデータはこのリポートに含まれていません。

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トーナメント開始以前はコミュニティの多くが3×3メタの台頭を予想していたが、いくつかのチームが3×3を軸に運用する一方で、各チームが採用するコンポジションには大会を通して多くのバリエーションが見られ、その違いはヨーロッパとNAそれぞれのピックレートにもあらわれていた。

※この分析では3-2-1のような3×3の派生コンポジションも3×3メタとして扱っているようです。

ヨーロッパにおけるDive Composition

DPSという視点に立つと、Shadowburn, Kyb, Tviqといったプレイヤーはヨーロッパのメタがどのように進化してきたかの指標ともいえる。アナ以前は今名前をあげたようなスターDPSの能力をフルに発揮するDive Composition(フランカーを軸とした2-2-2)を採用してきた。3×3がアグレッシブに攻めるDive Compのミスポジションを突くことで、一時期はこの戦術が無力化されていたものの、多くのプレイヤーが3×3というものを理解することで、3×3へのカウンターとなるコンポジションを手に入れた。それは、3×3のコアであるアナをターゲットにすることを意味する。

Hero Payload/Hybrid Defense Payload/Hybrid Offense KOTH 2CP Defense 2CP Offense
Genji EU 16.38% 22.97% 46.06% 21.27% 55.03%
Genji NA 6.52% 15.61% 9.37% 6.55% 36.59%

ヨーロッパのチームは3×3の布陣を崩すために敵陣のバックライン(後衛=アナ)に送り込む(dive)フランカーを多用している。この3×3対策によりゲンジのピックレートが急上昇している。また、この傾向は3×3を相手にしない場合にも見受けられる。私見ではあるが、ヨーロッパでのメタは3×3からよりアグレッシブなDiveメタに回帰したと言ってよいかもしれない。

ヨーロッパとNAの違いはゼニヤッタとウィンストンのピックレートにもあらわれている。3×3有利と言われていたKotHマップでは、ラインハルトとアナの代わりにゼニヤッタとウィンストンを起用し、フランカーを積極的にサポートしている。前者は長距離からの持続性のある回復、後者は敵のバックラインにいるゲンジに態勢を立て直す機会を与える。

Hero Payload/Hybrid Defense Payload/Hybrid Attack KOTH 2CP Defense 2CP Offense
Zen EU 6.04% 11.57% 75.32% 25.32% 33.77%
Zen NA 4.71% 5.20% 48.41% 37.35% 23.78%
Winston EU 22.33% 27.86% 92.00% 46.75% 49.19%
Winston NA 21.35% 32.37% 61.05% 49.85% 49.35%
Ana EU 91.61% 85.44% 24.55% 83.12% 66.23%
Ana NA 97.37% 89.20% 50.18% 62.65% 73.32%
Rein EU 84.65% 76.18% 8.00% 71.59% 53.73%
Rein NA 86.43% 81.00% 45.03% 66.62% 58.99%

3×3の代名詞とも言えるNiPがヨーロッパラウンドの準決勝で散ったことは、3×3メタが終焉に向かっていることを暗示しているのかもしれない。

ニッチピック

適材適所ともいえる局地的なヒーローのピックレートにもヨーロッパとNAの違いが見て取れる。

Hero Payload/Hybrid Defense Payload/Hybrid Offense KOTH 2CP Defense 2CP Offense
Widow NA 0% 0.82% 0.00% 0.00% 10.06%
Mei NA 59.98% 31.23% 2.31% 70.12% 12.04%
Mei EU 51.25% 19.70% 1.10% 61.53% 0.00%

NAでは2CPマップにおいて、ポイントを襲撃するために数的有利を待つ傾向にあるが、ウィドウメーカーはこういった攻撃に備えるディフェンスのリアクションを変えることができる。ディフェンスの注意を高台にいるスナイパーに引き付け、ひいては相手チームの混乱やミスコミュニケーションを誘発させる。

Hanzo EU 0.00% 14.14% 2.84% 2.92% 1.95%

ヨーロッパではハイブリッド前半でハンゾーがプレーする機会が見られる。チョークポイントの突破や3×3のバリエーションとして機能し、3×3派生においては、スキャッターアローのスパムとUltにより、味方のラインハルトにシールドを降ろす機会を提供しその前進を促す。また、相手がトラディショナルな3×3メタの場合には、ハンゾーの矢のスパムに対抗する明確な手立てがない。

メイはいまだにニッチなピックではあるものの、彼女のピックレートは飛躍的に上昇している。彼女のクラウドコントロールは相手フランカーの動きを封じたりチームを分断する役割を担う。EUに比べてNAではメイをオフェンス面でも起用することがよくあり、アイスウォールやUltによりチョークポイントから相手ディフェンスを遠ざけることを可能にする。火力については疑問が残るが、プレイヤーが氷結ブラスター(氷柱)の扱いに慣れてきたことで、ロングレンジから相応のダメージを与えている。

ポイント死守

NAではディフェンス面において、ジャンクラットとD.Vaにも注目すべき点がある。

Hero Payload/Hybrid Defense Payload/Hybrid Offense KOTH 2CP Defense 2CP Offense
Junkrat NA 0.74% 0% 0% 19.82% 0%
Junkrat EU 0.28% 0.31% 0.00% 0.00% 0.00%
D.va NA 8.86% 5.81% 0.00% 16.31% 4.12%
D.va EU 2.27% 0.41% 0.00% 8.77% 0.00%

NAでは2CPマップのポイントを死守するにあたって、ジャンクラットとD.Vaをピックすることがある。前者はポイントを守る際にロングレンジから相手を削りながらUltをチャージして相手の進軍を阻止する。後者はディフェンスマトリックスによる後衛防御とUltによるチームワイプが期待されるが、Ultは実際にはチームワイプではなく、相手をポイントから遠ざけるエリアコントロールとしての機能に注目すべきである。この二人の起用法はザリアとロードホッグの使用率低下にも一部あらわれている。

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